月刊たかしまや通信バックナンバー:平成26年12月号

ひたひたと新しい時代の動きを感じる平成26年の賃貸市場

5年ぶりの調査で改めて実感する空き家問題の大きさ

浮き彫りになった市場環境の厳しさと難しい賃貸経営の舵取り
今年1年の賃貸市場をふり返って、どのような感想をお持ちでしょうか。今年目立った市場の動き、賃貸経営に関する主な出来事を取り上げてみました。賃貸マーケットを取り巻く環境にも、ひたひたと新しい時代の動きを感じます。

5年ぶりに実施された総務省の「住宅土地統計調査」が7月に公表されましたが、それによりますと、平成25年10月現在の空き家率13.5%で過去最高となっています。その内訳ですが、賃貸住宅が429万戸で空き家全体の52.4%を占め、改めて空き家問題全体の大きさを実感させられます。

都市圏などの地域差、築年数、さらには立地等によって一概には言えないのですが、それにしても日本の空き家の過半数を賃貸住宅が占めていることはやはり大きな課題事項です。これからは退去があれば日を置かず次の入居者が決まることが難しいので、意識を切り替えて賃貸経営に取り組む気概が求められるところです。
賃貸住宅の新築ペースが7月以降鈍り、9月分の新設は、前年同月比で3ヶ月連続の減少となっています。消費税増税に伴う駆け込み需要の反動から、やや一服感となっているものです。それでも今年1~9月の合計では前年比5.2%増で、新築意欲が減退したわけではなく、空室の存在がクローズアップされる一方で、新設の投資意欲も強いようです。

背景には来年1月からスタートする相続税改正への対策、低金利の資金環境が大きく影響しています。といっても、供給の過剰感、市場の物件の充足感等が重なって、今後、調整ブレーキがさらに強くかかってくるのは十分予想されますが、空き部屋が生じる中で新築が増える市場環境のもと、賃貸経営の舵取りの難しさが浮き彫りになった年です。
高まる賃貸経営への関心
いよいよ年が明けて1月から相続税の課税拡大が始まります。万一の相続発生に関することだけに、気持ちが弾むものではありませんが、相続財産が不動産の場合、金融資産と違う評価で税額も違ってきますので資産管理の側面から、改めて賃貸経営への関心が急速に高まったのも今年の傾向です。

また、敷金・原状回復のあり方が変わりそうです。明治29年以来大幅改正はされていない民法の債権関係の法律が来年の国会審議を経て運用されると、敷金は「賃貸借契約が終了したとき、賃料の不払いがない場合、借主に返還しなければならない」と明文化、ルール化されそうです。原状回復についても「通常の使用による損耗、経年変化の損傷を除く」と明記されています。この民法改正は賃借人、賃貸人双方に大きなインパクトを与えそうです。

2面に変化する賃貸住宅の傾向についてまとめました。

賃貸マーケット情報

「不動産情報サイト利用者意識アンケート」結果」

不動産会社に問い合わせをした検討者の訪問後の契約率7割超え
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)がまとめた「不動産情報サイト利用者意識アンケート」の調査結果によりますと、「スマートフォン」を使った検索が20代で5割を超え、また不動産会社に問い合わせをした「賃貸検討者」の訪問後の契約率が7割を超えていることが分かりました。

不動産情報サイトの利用実態を調査するために年1回実施しているもので、調査期間は3月26日~6月22日。主な結果は次の通りです。調査は売買物件と賃貸物件に分かれて行われていますが、賃貸の結果について取り上げます。

インターネットで物件検索後、実際に不動産会社に問い合わせをした人は51.1%で、問い合わせた不動産会社数は平均2.5社。問い合わせ後、実際に不動産会社を訪問したのは50.3%で問い合わせをした不動産会社に加え、他の会社にも訪問したのは25.6%となっています。

検索ツールの主流はパソコンから
不動産会社に問い合わせをしてから契約までにかかった期間では、「1週間未満」は減少したものの「1ヵ月未満」が6割と増え、短期化が目立っています。不動産会社を訪問後、契約した人は7割を超えています。

検索ツールの主流はパソコンで、スマートフォンが20代で5割を超えるなど急進。物件検索にスマホを使う人は、男性よりも女性、売買よりも賃貸の場合によく見られます。

同じ物件が掲載されている場合、問合せ会社を決めるポイントのトップ3は、写真に点数が多い、物件のウィークポイントも書かれている、他にもたくさんの物件を掲載しているなどのほか、写真の見栄えがよい、が選ばれています。

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