月刊たかしまや通信バックナンバー:平成27年1月号

平成27年における賃貸住宅市場の主だった展望

空室対策・入居率向上が今年も大きな課題事項

現状回復義務の取り扱いなど、変化の年になりそう
オーナー様、お取り引先の皆様、新年明けましておめでとうございます。旧年は12月の選挙も終わり、新しい気持ちで新年を迎えました。昨年同様、今年一年もお世話になりますが、よろしくお願い申し上げます。さて、賃貸経営にとって今年はどんな年になるんのでしょうか。

12月号で平成26年における賃貸市場の主だった動きについて取り上げましたが、今年も基本的には昨年の課題事項との取り組みが継続するといっていいと思います。それは次の5点ではないでしょうか。

◆空室対策(入居率向上)
◆相続税改正の対応
◆民法(債権関係)の改正
◆新しい賃貸住宅の広がり
◆賃貸流通変革の動向と対応

今後、機会を見つけて各テーマの問題点を取り上げていきたいと考えております。

ところで、直近の家賃等の傾向ですが、日本賃貸住宅管理協会がまとめた平成26年4~9月期のデータ、『賃貸住宅市場景況感調査』(日管協短観)によりますと、フリーレント、礼金、敷金(保証金)なしの物件が全国的に増えているようです。全国の管理会社183社の回答ですが、首都圏・関西圏の礼金なし物件、首都圏・その他エリアのフリーレントの増加率が目立っています。

また、入居時の条件交渉がやはり全国的に増え、賃料、礼金・敷金等の初期費用、設備設置に関する交渉の増加傾向が明確に見られます。この調査で、賃貸業界における今後の景況感について聞いたところ、向こう3年の「賃貸事業・経営」は、ますます困難が約9%、やや困難が約59%、変わりなしが30%と回答しています。約7割の事業者が今後の賃貸事業の厳しさを指摘しています。

賃貸住宅の昨年1~10月の新築は、前年比4.1%増の29万7058戸。最近の傾向として、相続税改正の対応策に自宅併用賃貸住宅や分譲マンションの区分所有の賃貸化が進み、市場への流通量が増えています。

「入居者本位」さらに強まる傾向
こうした経営上の諸問題に加えて今後一層、入居者本位、入居者ニーズに応える賃貸住宅と経営手法が求められるのは間違いないと思われます。選ぶ物件が豊富にあるとどうしても強気になって、入居条件の交渉を求めてきます。

それに、高齢社会の進行は止めようのない事実で、賃貸住宅においても全入居者の約1割が高齢者ですから、バリアフリー等の改修は経営課題として避けられない趨勢です。さらに、在日外国人も存在感が大きくなっていることから、外国人入居の取り扱いが増えてくるのは十分予想されます。入居率を高めるためにタイムリーなリフォーム、リノベーションが増え、入居者の好みに合わせた壁紙張替えや内装の改修・DIY(日曜大工)の原状回復義務の取り扱いをめぐっても、今年は大きな変化を見せる年になりそうです。

賃貸マーケット情報

時代のニーズを先取りした新製品が相次いで投入される

賃貸業界にも新しい風が吹いています。ここ1ヵ月、目に付いたニュースを紹介します。

DIY型賃貸住宅が静かなブームとして広がりを見せていますが、「壁面」に関して原状回復義務を原則免除、その他の部位については個別相談する物件が東京・世田谷に出現。ユニークなのはDIYショップを棟内に設置。新規・既存入居者に対して、DIY活用の環境を整えていることです。

東京・杉並区に災害時に配慮した設備を備えた賃貸マンションが近く竣工します。災害時、電気の供給が止まった場合に対応し、72時間程度運転可能な非常用発電機、太陽光発電により共用廊下・ラウンジ・ポンプ等の共用部の電力を確保。また、煮炊きができるようにラウンジ内にLPガス対応キッチンを設置、といった内容です。さらに防災倉庫には救助用品の他に防災時用テレビも備えています。万一に備えた施設を備えた賃貸住宅が建設されるようになりました。

自宅併用賃貸住宅の建設が増加
暖炉のある賃貸マンションが東京・豊島区に竣工しました。NY・暖炉のあるホテル、をテーマにしているようですが、暖炉付きの賃貸マンションとはちょっと驚きです。部屋の写真を見る限り、賃貸離れしたマンションです。家賃は28万円からとなっています。

いよいよこの1月から相続税増税がスタートしますが、安定収入と節税効果を見込んで、自宅併用賃貸住宅の建設が増えています。そして、相続税対策や資産活用を提案するハウスメーカーの動きも活発化して、新製品の投入が相次いでいます。

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