月刊たかしまや通信バックナンバー:平成27年3月号

春を迎え、賃貸経営を取り囲む市場環境を読み取る

10年横ばいの賃料傾向、アパートに需要が流れる

世帯動向で高齢者単身世帯の伸びが過去最高
これからの賃貸経営を考えるヒントとして、最近の賃料の傾向や全国の住民移動状況、そして世帯動向の変化について見ていきます。まだ喫緊の状況ではないのですが、将来のあり方として捉えておくことも必要ではないでしょうか。

国土交通省が月1回公表している「不動産市場動向マンスリーレポート」の最新号によりますと、首都圏の賃貸マンションの賃料指数は1月の場合、前月同値で、東京都区部ではワンルーム、ファミリータイプともにやはり前月同値となっています。

近畿圏でもワンルームが前月同値でファミリータイプが前月比0.3%上昇。これを10年前と比較すると、首都圏が7.5%、東京都区部が5.2%、近畿圏のワンルームが11.2%の上昇となっています。

市民生活の根幹を成す住宅の賃料が全く物価の優等生で、10年間横ばい~微増となっています。事実、景気にいち早く変動するオフィス・テナントの賃料に比べ、賃貸住宅の値動きは極めて小さくプラマイゼロから3~4%程度といった変動率で留まっています。最近ではマンションの賃料がやや上向いている分、アパートに需要が流れる傾向が見られます。

ところで、全国の住民の移動状況ですが、平成26年1~12月の日本人の市区町村間移動者数は491万人で、11年連続の減少。都道府県間移動者数は226万人で、3年連続の減少。都道府県内移動者数も2年ぶりの減少と町や都市と年を移動する人がめっきり減少しています。全国の市町村のうち、7割以上が転出超過となっています。

仕事や転勤で国内を移動する場合、移動先の大半の受け皿となっているのが賃貸住宅ですが、移動者数が減少するということは自然、賃貸ニーズもしぼむことになってしまいます。今すぐに賃貸マーケットが大きく影響を受けるわけではありませんが、マーケットが縮んでいることは確かなようです。

ファミリー世帯の減少傾向
そうした中での世帯動向ですが、「平成25年住宅・土地統計調査」の速報集計によりますと25年10月現在の総世帯数は平成20年比248万世帯増加の5246万世帯となっています。それぞれ5.3%、5%の伸び率。過去15年間で総住宅数は1千万戸以上、総世帯数が800世帯以上増えています。

やはり関東、中京、近畿の3大都市圏の割合が高く、住宅数では、この3大都市圏の合計で全国の約53%を占め、借家世帯数は1071万世帯。若年単身世帯が約30%ですが、目立っているがファミリー世帯の減少に対して、高齢単身世帯の伸び率が顕著となっていることです。

こうして見ていきますと、ファミリーの需要が交代して、高齢単身世帯の需要が益々高まることは十分に推察されます。

賃貸マーケット情報

20代女性のお部屋探しに関する調査

親の負担を軽くしたいと家賃を気にする娘 母親たちが重視しているのは安全・安心
女性の入居者に関連する親の気持ちと、入居者当人の心づもりをまとめた「20代女性のお部屋探しに関する調査」結果がパナソニックから公表されましたが、改めて賃貸住宅に入居される女性入居者の実態と傾向が読み取れます。

これは、一人暮らしをしている20代前半女性(娘)と、一人暮らしをしている20代前半の娘を持つ女性(母親)を対象に実施したもので、それによりますと、親の負担を軽くしたいと「家賃」を気にする娘たちと、娘の安全・安心のため、防犯やセキュリティを優先したい母親たちの意識や実態が明らかになっています。

まず、娘にとっての部屋探しのポイントとしては、最も重視されているのが「費用」。以下、間取り・設備、ロケーション、安全・安心、周辺環境と続きます。

「オートロック」が最多
一方、母親たちが最も重視しているのは、「安心・安全」。それ以外は、費用、間取り・設備、ロケーション、周辺環境と、娘の優先順位と同様。部屋の仕様・設備に限定した上で、こだわったポイントについては、娘の最も多かった回答はセパレートタイプのバス・トイレ。次に、広さ、間取り、収納と続きます。限られた費用の中で、できるだけ広く住み心地の良い部屋に住みたい、というのが希望のようです。

娘の安全・安心にこだわる母親の回答は、オートロックが最多。鍵のかけ忘れの心配がないオートロックを備えた部屋は、一人暮らしの女性にとって安心・安全に優れた部屋ということです。その他にはセパレートタイプのバス・トイレ、住戸の向き、間取りといった項目が、母親のこだわりポイントとして多く挙げられました。

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