月刊たかしまや通信バックナンバー:平成27年6月号

賃貸住宅市場を取り巻く経済環境

仲介・管理委託の不動産会社との密接な連携が重要

新設動向に目を配り、賃料設定や設備更新に神経を注ぐ
景気に力強さ欠けるものの経済環境は緩やかな回復基調が維持され、雇用情勢は新規求人倍率が上昇するなど、薄曇の中にも良好な動きを見せています。こうした中、賃貸住宅市場も概ね堅調に推移しつつ、多様な展開が見られます。

東京商工リサーチが発表した「4月の全国企業倒産状況」によりますと、「4月としては過去20年間で最少」となっています。それでも帝国データバンクの「TDB景気動調査」では、「4月の景気DIは前月比0.5ポイント減の45.3となり、4ヵ月ぶりに悪化」と、一本調子に景気回復の波に乗っていないところが、力強い景況感として表れていない由縁です。

そんな中、社会問題化している空き家増大の一方で、賃貸住宅の新設が増えています。国土交通省調べによりますと、平成26年度の貸家の新設は前年度比3.1%減の約35万8千戸。前年度より減少しているのですが、過去6年で2番目の新設数です。

この3月単月で見れば前年同月比4.6%増の3万243戸で、昨年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動で落ち込んでいたのが、一転して9ヶ月ぶりの増加となっています。

今後一本調子で増加するとは思えないのですが、市場は新設着工の持ち直し機運が高まっています。賃貸経営に対する根強い人気や相続税対策への要望、借り入れ金利の低下が背景に挙げられます。

本紙では賃貸住宅の新設動向を継続して取り上げていますが、これからの賃貸経営を考える場合、周辺地域の新築動向を常にチェックして、賃料設定や設備更新に神経を注ぐことが重要になりそうです。

ところで、不動産情報サービスのアットホームが公表した、3月期の首都圏・居住用物件の市場動向によりますと、1戸当たり成約賃料の首都圏平均は、賃貸マンションが前年同月比1.2%上昇し、6ヶ月連続のプラス。賃貸アパートも同0.5%上昇し、再びプラスとなっています。シーズン中もあって小刻みに賃料の上昇を見せていますが、全体では一進一退といった感じです。

市場の大きな流れを把握
これはここ数年来の傾向で、市場が落ち着いている分、シーズン中であっても目立った変動は見せていません。物件が市場に豊富に出回っていることが、その大きな理由と見られています。

賃貸住宅経営は目先の利回りを追う投資用不動産の運用と違って、手堅く入居者の家賃収入を見込んでいるために、足元の経済指標に過敏になることもないかと思います。市場の大きな流れを把握して、物件の仲介・管理を委託している会社との連携を密にすることがより必要になっていると思われます。

賃貸マーケット情報

「平成26年度一人暮らしに関する意識調査」

年齢が上がると高い家賃の割合が増え女性の多くはセキュリティ重視の傾向
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)と全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)はこのほど、全国の男女を対象に実施した「平成26年度一人暮らしに関する意識調査」の結果を発表しました。有効回答者数は2350件で、調査結果から改めて一人暮らしをする入居者の考えやニーズが読み取れます。

それによりますと、現在の住まいのタイプは、3LDK以上が約22%、1Kが約18%、ワンルームが約13%で、年齢が上がると広い間取りに住む傾向となっています。現在の家賃については、4万円台が約25%、5万円台が約23%、3万円台が約20%という割合で、やはり年齢が上がると高い家賃の割合も上がっていく傾向を示しています。

一人暮らしの部屋探しをする場合、家賃以外に「建物」について重視するポイントのベスト3は、間取りの広さが約69%、日当りが約60%、駐車場の有無は約46%。中でも女性は男性よりも建物について重視する点が広範で、セキュリティについても、男性よりも高い割合で重視しています。

女性は男性に比べ、設備を重視
家賃に以外に「環境」について重視するポイントでは、コンビニ・スーパーなどの有無が約67%、駅が近いが約44%、静けさが43%と、全体的に男女とも環境・利便性を重視している傾向がはっきりしています。

また、重視する「部屋の設備」については、バスとトイレが別が約67%、収納スペースが約62%、エアコン付きが約58%で、女性は男性と比較して、部屋の設備について重視する点が広範に及んでいます。

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