月刊たかしまや通信バックナンバー:平成27年8月号

”相続税の節税ニーズ”を反映して賃貸住宅の新設が高水準

徹底した管理と仲介業務で賃貸経営を支える

賃貸経営の人気が高まる反面、市場は依然厳しさを増す
賃貸マーケットの動向に左右されることなく、「相続税の節税ニーズ」を受けて、賃貸住宅の新設着工数が高水準に推移しています。市場はこれから夏場に入り、お盆空けには後半戦に突入しますが、市況は決して楽観できる状況ではありません。

年明けから始まった今年の春の賃貸ビジネス商戦は、例年と大きく変わることなく、順調な伸びを見せました。しかし賃貸業界の今年の前半をふり返りますと、大きな話題となったのは1月からスタートした相続税の改正です。

相続税の改正により、基礎控除の引き下げと税率の見直しによって、賃貸住宅を建てると相続税が減少するとの見方から、新たに賃貸経営に乗り出されるオーナー様が数多く見られます。それがよく現れているのが賃貸住宅の新設の動きです。例えば今年に入って、1~2月に調整局面が見られたものの、3月は前年同月比4.6%増、前月比約18%増と大きく伸ばし、4月は前年同月比でやや下回ったが、5月は前年比で2.8%増となっています。

持ち家、分譲住宅の建設戸数が落ち込んでいるだけに、賃貸住宅の伸びがひときわ目立ったものです。市場の賃貸需要を必ずしも反映した動きではないところに、相続税の節税ニーズを際立たせています。

今年1月から見直された相続税の内容は、基礎控除について、現行の「5千万円+法定相続人数×1千万円」を「3千万円+法定相続人数×6百万円」に引き下げ、相続税の最高税率が現行の50%から55%に引き上げられています。また、賃貸経営の節税メリットは、相続に際しても土地の「貸家建付地」による評価減、「小規模宅地の特例」のほか、ローン残債の差し引きや土地の路線価評価が挙げられます。さらに、アパート・マンションを建設すると「減価償却費」として毎年控除ができることから効果的な節税が見込まれるといったケースもあります。

今後の市場の厳しさを実感
そして相続対策や節税メリット同様に、賃貸住宅新設の後押ししているのが賃貸経営の人気です。安定収入を期待されるオーナー様が節税と収入の両面からの期待感もあって賃貸経営に乗り出されています。

ところで業界団体の日本賃貸住宅管理協会から、6月に公表された「賃貸住宅市場景況感調査」(日管協短観)の最新版によりますと、会員向けに賃貸事業・経営の向こう3年の景況感についての質問に対して、「ますます困難・やや困難」の合計が首都圏で約53%、関西圏で約70%の見解を示しています。やはりゆくゆくの市場の厳しさを時間しているのが窺われます。

こうして見ていきますと、賃貸経営の基本であり原則は、感知の徹底と管理の充実を図って仲介業務に全力を注ぐという原則の重要性を認識する次第です。

賃貸マーケット情報

「賃貸住宅に住む単身者の暮らし」

今後、「賃貸・集合」への住み替え希望約7割 女性の約8割が「身の丈にあった生活」を希望
賃貸住宅に住む単身者の動向を東京ガスの都市生活研究所がまとめ、都市生活レポート「賃貸住宅に住む単身者の暮らし~住まいの現状とライフスタイル」として発表しました。「単身世帯」は、「夫婦と子」の世帯数を超え、現在最も多い世帯の形となっています。

今回の調査では単身者の多数を占める賃貸住宅の入居者に着目し、住まいの現状とニーズ、住まい選びの重視点、ライフスタイル、今後の住まいと暮らしについて、その実態と意識を明らかにしました。

それによりますと、住まいの現状とニーズについては、住宅の種類は、アパート(木造・鉄骨)とマンション(鉄筋コンクリート)がほぼ半々で、合計9割以上。間取りは過半数がワンルーム~1K。20代では7割以上を占めています。

キッチンの不満トップ3は調理台・キッチンの広さ(狭さ)、家電製品の置場で、理想のキッチンはL型キッチン、3口グリル付き、ビルトインコンロ。

女性は住まい選びの重視ポイントが多い
浴槽は半数以上が浴槽+洗い場タイプで、浴槽、洗面台、トイレが一緒の3点式ユニットバスは2割弱。浴槽の不満トップ3は、広さ、カビ、浴槽の大きさとなっています。

住まい選びの重視点は住居費、立地・環境、トイレ独立が上位で、浴槽、コンロなどの設備も重視され、女性は住まい選びのポイントが多く、とくにキッチン設備、収納は重要。今後の住まいち暮らしについては、賃貸・集合への住み替え希望が約7割。一人暮らしでの住宅購入を考える人は3割程度。

シェアハウスへの意向は20代で高めで、リフォームやリノベーションに興味があるのは20~30代女性。身の丈にあった生活を約8割が望み、女性はとくに、家のことを楽しむ暮らしを希望しています。

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